8月11日は祝日「山の日」です。今のところ国民の祝日としては一番新しく、2014(平成26)年に制定され、2016年から施行されました。
8月に祝日が設けられるのは初めてのことで、これによって年間の祝日は16日となりました。2019年度は11日が日曜日のため、振替で12日が山の日となっています。
8月はお盆休みの時期で、帰省やレジャーで山を間近に感じることも多くなります。山の日は山に出かけて山に親しみ、山林の恩恵やありがたさについて考えてみてください。
山の日の趣旨
山の日は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨で制定された祝日です。
8月になった理由ですが、元々この時期に山にまつわる特別な出来事や関連性はなく、祝日がなかったことや、山のシーズンであったことから8月が選ばれました。
また、1996年から施行され、7月の第3月曜日が祝日となった「海の日」の影響もあります。
「海の日」があるなら「山の日」もという声が高まり、2010年に日本山岳会をはじめとする山岳5団体が「山の日制定協議会」を設立しました。
続いて2013年に超党派の「山の日制定議員連盟」が設立され、関係省庁や山岳団体との連携によって周知活動を行い、2014年に「山の日」が制定されました。
山の日制定までの流れは、以下に詳しく記載されています。
山に親しみ恩恵に感謝する
日本の国土面積はおよそ3,779万ヘクタール、それに対して森林面積はおよそ2,510万ヘクタールとなっており、国土の2/3は森林が占めています。
また、国土面積に占める森林の割合は「森林率」と呼ばれ、日本は世界的に見ても先進国のなかで非常に森林率の高い国です。
OECD加盟国の中で、日本の「森林率」は世界第2位となっています。
- フィンランド 73.1%
- 日本 68.5%
- スウェーデン 68.4%
- 韓国 63.7%
- スロベニア 62.0%
日本は先進国の中で有数の山林大国であり、水源保持や木材資源の育成といった国土保全に重要な役割を果たしています。
しかし、山林の資産価値や役割、その重要性についてあまり注目されていないのが現状です。日本にいると忘れがちですが、水と空気はタダではありません。
海外では河川の渇水や地下水の水位低下によって、深刻な水不足が発生している地域があります。しかし、日本では山林という豊かな水源のおかげで、水不足になることはほとんどありません。
山の日が制定された趣旨は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」です。せっかくの祝日ですから、山の日をきっかけに身近な山へ出かけてみませんか。
最近は山のレジャーも多様化しています。山歩きやキャンプ、トレッキングで山に親しみ、豊かな自然のなかで心地よいひと時を過ごしながら、山の恩恵に感謝してください。
そして、我々の暮らしが山林と共にあることを、改めて考えてみてください。