北海道の山を買った女性編集者の本「山を買う」

書籍 山を買う

山を買った女性編集者が、そのきっかけや楽しさを綴った本「山を買う」をご紹介します。

最近のキャンプブームをきっかけに、山を買うという行為が身近になりました。Youtubeにはヒロシさんのソロキャンプをはじめ、山を購入して楽しむ動画がたくさんアップされています。

「山を買う」を出版された來嶋路子さんは、女性ならではの視点と編集者という経歴を生かし、山の買い方や注意点、山林管理や整備の苦労、山を所有する楽しみを一冊の本に綴っています。

本の内容はすべて手書きの文章とイラストなので、とてもわかりやすくて親しみを感じる構成になっており、山を買いたいという興味やワクワク感が伝わってきます。

著者は女性ですが、男女を問わず山を買ってみたいという方の参考になります。みなさんも自分の山を買って、山活を始めてみませんか?

山を買ったきっかけ

「山を買う」著者の來嶋路子さんは、美術出版社で編集長や副編集長を務め、2011年の東日本大震災をきっかけに、家族で岩見沢に移住されました。

來嶋さんが山を買ったきっかけは、農家の友達に「山買えるよ」と教えてもらったことだそうで、まず最初に相談したのは、地元の森林組合でした。

そこでいくつか紹介してもらった山では、深い沢や急斜面に阻まれて全貌がつかめず、素人が山を買って整備していくのはハードルが高いと感じたそうです。

でも、來嶋さんはそこであきらめませんでした。自給自足のエコビレッジを山に作りたいという思いもあり、知人の紹介で8ヘクタールの山を購入したそうです。

書籍 山を買う 買った山はこんな感じ

この山は伐採跡地で荒れ地も多く、山林経営には向いていませんが、道がついていたので人が簡単に入れるという利点がありました。

來嶋さんの山林ライフはここからスタートします。

山の楽しみ 山活がスタート

勢いだけで買った山ですが、週末になると山を訪れて子供たちと遊んだり、山菜や木の実を採ったりしながら、友人たちと山の楽しみを見つける「山活」を始めました。

山には四季折々の楽しみ方があり、春にはタラやワラビなどの山菜採り、夏は日差しを遮る東屋作り、秋は屋外陶芸と盛りだくさんです。そして雪が降る冬は山活もいったんお休みになります。

山を買ってからは山主の友達から様々なことを教わるとともに、今まで想像もつかなかった山の楽しみを発見したり、山を所有する意義について考えるようになったそうです。

來嶋さんの日々の暮らしは、マガジンハウスのウェブマガジン「コロカル」の連載「うちへおいでよ!みんなでつくるエコビレッジ」に綴られています。

うちへおいでよ! みんなでつくるエコビレッジ
北海道にエコビレッジをつくりたい。そこにずっと住んでもいいし、ときどき遊びに来てもいい。野菜を育ててみんなで食べ、あんまりお金を使わずに暮らす。そんな「新しい家族のカタチ」を探ります。バックナンバーの一覧ページです。

山活への取り組みや山暮らしの楽しみ、人口400人の集落、美流渡に移住したご近所さんへのインタビュー、過疎地に住むことの本音などが盛りだくさんです。

「山を買う」購入方法

來嶋さんは2015年にフリーランスとして独立し、アート関連の書籍編集やライターを続けながら、自らの出版社「ミチクル編集工房」を立ち上げました。

そこから発行された書籍の第一弾「山を買う」は、山林を購入した時のエピソードや山の楽しみがメインで、「続 山を買う」は、山を買う方法や注意点、管理や整備が主な内容となっています。

「山を買う」と「続 山を買う」は、以下のミチクル編集工房内にあるfacebookページ、もしくはメールで注文可能です。

ミチクル編集工房
アートやデザインの本づくり、そしてときどき畑仕事も

カラー24ページ/A6判
本体500円(税込)+送料94円

來嶋さん曰く「こうして本をつくり、興味のある人の元へこの本が巣立っていくのは本当にうれしい」とのこと。

ぜひこの本を読み、それを機に山を買って、山と森の未来を自分事としてとらえてみてください。

山を買う 目次

なぜ買おうと思ったのか
山を見てわかったこと
山に入るには道がいる
ハイジの丘のように美しい所
そして荒れ地を買いました
エコビレッジはつくれるの?
山にはこんな楽しみが!
春 荒れ地じゃなかった
夏 東屋つくった
秋 土器ができた
やがて冬 一年過ぎて

続 山を買う 目次

なぜ買ってほしいのか!
買った山はこんな感じ
そもそも山はどこで買える?
買うときに気をつけたい点
価格について考える
植林ってなんだ?
道によって意識が変わる
整備ってどんなことをする?
山の奥で闇を見る
山がそこにあるだけで